日本のシネコンと違い、座席指定が前もってできるのが(この映画館の場合)UltraAVX か IMAX しかないので、そうなると3Dの場合が多いんですが、大作映画には珍しく3D上映がないみたいで、3Dが得意でない私としては嬉しかったです。
日本では2ヶ月半先の公開なんですね↓
英語ウィキを見ると「X−メン映画の中でいちばんよくできた映画であり、スーパーヒーロー物としても最高傑作のひとつだと言える」ほどの称賛を得た、などと書かれています。
確かに映画としての出来はすばらしかった。
以下、重要なネタバレ含む、まとまりのない感想
(細かいあらすじはナシ)
が、観終わったあと、まず口から出てきたのは
"BOOOO!!!! Why did they have to kill them?!"
でした…。
※BOOO!!!!=ブー!!!=ブーイングの音(笑)。
前もって「これがローガンの最後の映画」とはちらっと聞いてたんですが、「ローガン(ウルヴァリン)映画としては最後だけど、Xメン映画には登場する」と思い込んでたので、まさかローガンまで死んじゃうなんて思ってなかったんですよね(→o←)
てか、プロフェッサーX(という呼び名は本作では出てこなかったかも?チャールズとしか)があああああ
あんな形で殺されちゃうなんて…∑( ̄□ ̄;)
それがいちばんショックが大きかったかも(;_;)
かわいそうに思ったのはキャリバンの死。ローガンもチャールズも彼がすでに死んだと思ってたので、彼が自分を犠牲にして死んだなんて知らないままだったのは切ないなあ。
しかし、チャールズも黒人家族も、殺されそうなのが読めてしまったのはちょっといただけなかった。
家族との食事のシーンですでに「殺されるだろうな…」とわかってしまったし(アンダー・ザ・ドームのヘクター役の人が夫の役でしたね)、チャールズはベッド脇に立った男がローガンだと思い込んで嬉しそうに語るシーンで「こいつ絶対ローガンじゃない!襲われる!」とかまえてたら、やっぱローガンの顔をした別人だったし。
でもまさかそこでホントに殺されるとは思わなかった!!!(T_T)
チャールズを失って打ちひしがれるローガンが湖の見えるところに埋めてあげるシーンが泣けました(;_;)
そして最後のローガンの死は、悲しいというより「えええ?!ホントに死ぬの?!」と、半ば信じがたい気持ちだったんですが、お墓まで作ってしまったので「あああ…ホントに死んじゃったんだ…」とガックリ。
ただ、お墓に立てた十字架をローラが横にして「X」の字にしてたのはちょっぴり笑えたというか、感動したというか…複雑な気持ちになりました。
それにしても、ローガンの顔をしたニセモノ(クローン?)の強さがハンパなくて、ターミネーターそのものでした(笑)。最後にローラに頭を吹き飛ばされてたけど、あれでも蘇ることがあったらまさにターミネーター!(^-^;
あと、不思議だったのが、ミュータントの子どもたち、なんで途中まで力を発揮しなかったの?ってこと。追いかけられてるときにあっさり捕まってたけど、捕まる前にパワー炸裂させておけばよかったのに。もうちょい早くみんなで力を合わせてたら、ローガンも死なずに済んだかも(まあ死なせたかったんでしょうけども)。
ってかそもそも、ミュータントの活躍する映画を期待してた私としては、スーパーパワー炸裂シーンが少なくて物足りなかった。その代わり(?)肉弾戦が多くて、
暴力描写は十分すぎるというかむしろ多すぎたけど!(^-^;
子どもがくるくる飛び回ってワルモノをメタ切りにしていくのなんかはスカッとするはするけど、子どもを殺人マシーンのように描くのはどうなんだろう(^-^;
子どもだけじゃなくてローガンやターミネーターローガンもすごいやり合いをするし。あの長い爪で人を串刺しにしたり頭をちょん切ったりするところは目をそらして視界の端っこで観るようにしてたけど、たまにモロに観ちゃって「うげげげ」となりました。R指定はダテじゃなかった…(-_-;
(ちなみにアメリカでは R ですがカナダでは 18-A つまり18才以下の子どもは大人の同伴が必要)
肉弾戦をもう少しおさえて、もうちょい超能力の戦いが見たかったなあ〜。
チャールズが殺されそうになってホテルの建物全体がビリビリ金縛りにあったシーンなんかはすっごくかっこよかったので、ああいうのをもっと見たかった!ものすごく強いミュータントだったはずのチャーズルがあんなしょぼくれたおじいさんの姿になってしまったのは残念すぎました。
ローガンも年を取ってよろよろしながらウーバードライバーみたいなことをして生計を立ててたり、チャールズが認知症みたいになって隠居生活してたり、とにかく2人の落ちぶれっぷりが切なくてしかたなかったです。
こんな姿になるのを見なきゃいけないなら、観なきゃよかった的な…。
でも思わず笑っちゃうコミカルなシーンもたくさんあったので、暴力シーンで目をそらせばもう一度観られる気もします。
なんせローラ役の女の子がすごく鋭い目つきで役にピッタリでよかったんですよねぇ。
<キャストについて>
ローラ/X-23:
敏捷な動きでときには男の子に見えてしまうこともあり、もしや男の子を女の子の役にキャストしたのかと思ったら、ダフネ・キーン(Dafne Keen)という2005年生まれのイギリス人(!)の女の子でした。この映画の中ではあまり話すシーンがありませんが、話すときはスペイン語が多いものの英語を話すこともあり、たいていスペイン語なまりなんだけどたまに英語ネイティブっぽい発音をすることもあったのでバイリンガルなのかなと思ったら、英語ウィキによればイギリス人の父親とスペイン人の母親を持つらしいので、そうなんでしょうね。
ガブリエラ:
ローラとしばらく行動を共にしていた看護師のガブリエラ役を演じたのは、『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』でも看護師ライザ役を演じたエリザベス・ロドリゲス。彼女はニューヨーク生まれのプエルトリコ系アメリカ人ですが、よくメキシコ系の役をしますね。キャリバン:
演じるのは大好きなイギリスのTVコメディ "Extras" でリッキー・ジャーベイスの役立たずのエージェントがめちゃめちゃハマってたスティーブン・マーチャント。Extras では的外れなことばかり言う、とんでもない抜け作キャラなので、こんなシリアス(?)なキャラもできるんだ〜とビックリ(?)。<余談:「国境を越えれば安全」というテーマ(?)について>
トランプ大統領がメキシコとの国境に壁を作ろう!と躍起になってますけど、この映画でも「あの国境を越えれば安全だ」と、悪の組織に追われるミュータントの子どもたちがカナダを目指すのがおもしろいなと思いました。なんで「カナダなら安全」なんだろう?と。
ちなみにノースダコタ州を越えたところにあるのはカナダの中でもマニトバかサスカチュワン(州)。めちゃくちゃ寒いところなので、よく難民が命がけで国境越えして指や手を凍傷で失い、ニュースになってます。最近では「真夜中の国境越えの最中、難民グループの中の2歳児が『お母さん、ぼくはここで死にたい。お母さんはカナダに行っていいよ、ぼくは雪の中で死にたい』と言った」というニュースを見て心を打たれたばかり。
とにかく、「国境を越える」というテーマ?があったため、この映画を反トランプ的にとらえる人もいそうですけど、関係あるんだろうか…たぶんなさそうな気がするけど、どうかな?確かにミュータントたちが人間に追い立てられ狩られるところは、現在のアメリカの移民やマイノリティへの姿勢に通じるものがあるかもしれないけども。
<余談その2:主要キャラが非アメリカ人だらけな件>
どうでもいいけど、この映画も、ハリウッド映画のくせメインキャラにほとんどアメリカ人がいないんですよね。外国人労働者がアメリカで仕事できなくなったら(トランプは「アメリカ人に仕事を返す」ことにも躍起になっている)ハリウッドはおしまいですね。(そうなったら本格的に「"北の"ハリウッド」と言われるカナダ(バンクーバー)に拠点を移す必要があるね!)
言うまでもなく主役のローガンを演じるヒュー・ジャックマンはオーストラリア人、チャールズ(プロフェッサーX)役のパトリック・スチュワートはイギリス人(彼も Extras に本人役で出てて、それを観ちゃったあとなので今回のお茶目なチャールズと Extras での彼がかぶってしまった)。前述のとおりローラ役もイギリス人だし。アメリカ人キャストは脇役ばかり(^-^;
<その他、雑感>
- 本編直前にデッドプールが登場したときは、てっきりデッドプールが『ローガン』にカメオ(?)出演するのかと思ったけど、単に新しいデッドプール映画の宣伝だったんですね。これはどこの映画館でも『ローガン』本編とセットになって上映されるのかなあとちょっぴり気になりました。→英語のウィキによれば、どうやらこれはやっぱりローガン本編とセットになってるっぽい
YouTubeにちょっと長いバージョンが上がってました↑ (スタン・リーは映画館バージョンには出てきません。『ローガン』本編にも出てこなかった気がする)
- エンドクレジットのあと、何かおまけ映像あるかなあと待ってみたけど、何もありませんでした(;_;) …終わったらさっさと帰って大丈夫です!
- ちらっと「そういえばローガンの兄(セイバートゥース)はどうなったんだろう」とよぎったんですが、映画を観た後、やはり彼の出演の可能性もあったことを何かで読みました。
※以下、『フォースの覚醒』のネタバレになるかも
- キャリバンが自らを犠牲にしたところで『ローグワン』のパイロットを思い出しちゃった。考えてみたら、メインキャラが全て死んで最後に新たな希望とも呼べる子どもたちが新世界に向けて旅立ったところも少し『ローグワン』と重なるような。全然関係ないはずだけど(笑)。
この『ローガン』でミュータントが破滅の道をたどることがわかってしまった今、今後Xメン映画を見直すことがあったら、なんだかプロフェッサーXやローガンを見る目が変わってしまいそうです。てか、時間軸がいまいちわからなくなってきたので、またいつか最初から順を追って見直したいな。
『LOGAN/ローガン』公式サイト:
http://www.foxmovies-jp.com/logan-movie/
日本語ウィキ:
ローガン(映画)
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